長井秀和

長井秀和は何か女に恨みでもあるかのように見える(あくまで「見える」)。そう感じるようになってから、僕はもう長井秀和では笑わなくなってしまった。例の30女のネタが原因である。あのネタをテレビでみかけるたびに、それただの悪口ジャン!と思う。その度、なんだか不快になる。
ところが具体的に言っている事(ネタ)をみてみると、さほどキツイ悪口でもないのである。たとえば、(検索した↓)
「30歳を過ぎてネイルサロンにはまっている女は、もう磨くものが爪しかない」
とか。居酒屋で酔っ払ったおっさんがこんなこと言ったら笑っちゃうかもしれないが、長井秀和がこれを言ったら腹が立つ。
このネタとかは、一見うまい事言ったみたいに聞こえるんだけど、意味だけとるとただの悪口にしか聞こえない。30越えた女はダメと言いたいだけだ。もうほとんど中傷なんである。なんとなくそういう感じがするというだけで言っている。それはネタが真実味を帯びているからでもあるのだが。たとえば「30女は実はみんなカツラ」とかだったらカンペキ嘘だから、不快にはならない。そのかわり面白くも無いが。
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「間違いない」は事実としては間違ってるかもしれないけど(むしろ事実としては間違っていた方がいい)、もしそうだったら笑えるってことを「間違いない」って言い切っちゃうのが面白かったのに、30女のネタでは、本当に間違いないかも、と「思われちゃう」ような事を言っちゃってる。要するに、冗談になっていないんである。30女への愛が感じられない。
たとえば、ちょっと昔の長井秀和のネタでこんなのがあった。
「デブはダイエット飲料だと3倍の量を飲む。間違いない」
これを見て、デブへの中傷だと思うだろうか。僕は思わない。むしろ愛さえ感じる。ちゃんと冗談になっているからである。デブが本当に3倍飲んでいるかどうかはこの際問題ではない。
ところが笑えない事だと、本当にそうなのか(間違いないのか)という事が問題になってくる。
全然笑えないから、あの一連の30女のネタを、マジで言っていると思ってしまうのだ。たぶん長井秀和自身はネタという前提で言っているはずなのだが(はずというか絶対にそうなのだが)、あのネタに本気で怒る女性の顔がうかぶし(僕の母は怒っていた)、あのネタに便乗して優越感を抱く男の顔とかが浮かんでしまうんである(女ってやっぱりそういう生き物だよな的な)。そう僕に感じさせる点で、30女ネタは「うまくない」のである。(僕に対して)
そして、僕だけがイラッっとしているのかもしれない。
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とにかく言いたい事は、一刻も早くあの一連のネタをやめてくれということだ。僕はイラッとするし、一部の人たちにはちょっと媚びすぎであろう。この間は国生さゆりを目の前にして、30越えた女は〜とかやっていたが、国生は喜んでいたように見えた。島崎和歌子に、すごい酒飲みだとか、ぜんぜん彼氏できモないよねとか言うのと同じである。たしかにそういう割と恵まれた特定の相手に言うんなら冗談になるんだ。ああイラッっとする。4時だ。