くわしく仕事(続おもしろくない話)

6時半ごろに出社すると、魚屋のバックヤードにその日の荷物が来ているので、まずそれを整理する。朝出すものは作業台の上か、脇に置いて、それ以外は冷蔵庫・冷凍庫にしまう。またこの時、同じ商品が魚屋の在庫にある場合、鮮度落ちの問題があるので、それを先に出さなければならない。なので、しまうものは、それが上になるように整理するし、朝出す商品の中にそれがあれば、その日来た荷物はしまって、在庫から先に処分する。
在庫を把握していないとこれがスムーズにいかないし、まちがって、新しい商品を先に出してしまうこともある。これでは、古い商品の鮮度を更に落とすことになり(最悪である)、何のために商売しているのかわからなくなる。この点、在庫を把握するのはかなり重要だと言える。重要というよりも基本的なことなのだが、注意していないとけっこう難しい。
荷物を整理したら、前日準備できなかった作業をやる。ぼくのいる店では、詰め物はパートさんがやるので、ぼくは切り身商品作りや、刺身用魚類をおろす(さばく)作業をする。これらの中にも、前日にして良い準備としてはいけない準備がある。例えば、鯛は前日におろしておいても良いが、ブリは変色が早いので必ず当日におろす。サバも同様である。なので大抵、ブリを刺身用におろして、サバを二枚おろしにする。この作業が終ると、7時を少しまわるくらいだ。
7時半になるとパートさんがやってくるので、それまでに売り場のどこになにを置くか、大まかで良いから決めておく。具体的には、指示書を書いたり、POPを立てる。そうしないとパートさんの仕事がスムーズにいかない。
次に、8時半までに売り場の生食コーナー(刺身、刺身用サクなどが置いてある場所)以外を埋める算段に入る。売り場を見ながら、どこに何を置くか、どれくらい広げるか、またどれくらい狭めるかを決定する。これは常に在庫と相談しなければならない。
しかし、売れない商品を広げても仕方ないので、いくら在庫過多だといっても、それを無駄に広げても売れ残るだけである。売れ残った商品はロスになり、それを仕入れたお金や、手間をかけた人件費や、他の商品をそこに置いて売り込めたかもしれないチャンスなど、全てを無駄にすることになる。よく考えて発注しないと、そういうことになる。
ちょっと長くなって疲れたのでこの辺にしておく。
ちなみにぼくは8時半に出社することになっているが、そうするとあわただしくなって(ぼくの頭の中がだが)嫌だし、何より開店に品揃えしなければならないものが揃っていないのがチャンスロスで、これもまた嫌である。