こどもの反逆

子供の頃、ニュース番組を見る大人が不可解だった。なぜそんなつまらないもの見るんだろう?
茶の間。大人は毎日ニュース番組を見る。もしかしたら面白いのかもしれない、そう思って、手元の漫画からブラウン管へ視線を移すことは幾度もあった。だがそれはいつも数秒で終わる。強盗、放火、連続殺人、大人にとってはショッキングなニュースもぼくにはあくびがでるほど退屈だった。これなら「サザエさん」を見る方がまだましだ。
きっと大人がニュース番組をみるのは「嫌がらせ」なのだ。子供にアニメを見せたくないから、見たくも無い「NHK7時のニュース」なんかをつけているのだ。それがニュース番組の存在意義ではないか?これは、テレビ局ぐるみの嫌がらせだ。つまり大人全体が子供に嫌がらせをしているのだ。

その考えが証明された日をぼくは一生忘れない。嬉しくて覚えているのではない。それは、皇太子の結婚が発表された日、「ドラゴンボールZ」が「皇太子ご成婚番組」に差し替えられた日、週に一度の楽しみ、6日の間ずっと楽しみにしていた30分、それを奪われた日。


この日からぼくは、遊びに行く時「どこへ行くのか」と聞かれても
「外!」
としか答えなくなった。


FIN