「足りるを知れ」しかし「現状に満足するな」

以前、「早くTシャツだけで過ごせるようになりたい。早く夏になれ、そもそも一年中夏になれ、無理なら熱帯に引っ越す」と書いたと思う。
それと別に、「夏の欠点」というエントリを書いたことがある。そこで指摘したのは下の四点だった。

  1. 暑すぎる
  2. 食い物がすぐにくさる
  3. 虫が多い
  4. 冬ではない

今回ここにもう1つ「5. 秋ではない」を足したいと思う。あれだけ「早く夏になれ」と思っていたのに、なったらなったで「早く秋になれ」と思うようになったのだ。



人間どんな状況になっても不満が絶えないものだ。この分だと秋になったら「冬になれ」、冬になったら「春になれ」と思っているのではないか(同じような例に、出島行ったら「横浜行け」 横浜行ったら「浦賀行け」 浦賀行ったら「わぁ、黒船だぁ」がある )。これが人の性(サガ)なのだろうか。
そういえば子供の頃も、100円もらったら「300円くれ」、300円もらったら「500円くれ」と思っていた。「足りるを知る」という言葉を知らなかったのだろう(それか足りなかったのだろう)。
もちろん今はその言葉を知っているが、考えていることはあまり大差ない(100円が1000円になったくらいである)。この点、知識が役に立たないことを証明している。同じように、「百戦錬磨」とか「一騎当千」と言う言葉を知っても、急に強くなるわけではないし、「京」という単位を知ったとしても急に1京円手に入るわけではない。そして当然、「臥薪嘗胆」「色即是空」「右顧左眄」「食う寝るところに住むところ」などのような、聞いたことはあるけど意味も知らないような言葉を知っていたところで、なんの意味も無い。まさにゴリ夢中である。



話は戻るが、やはり、その時々の状況に満足し、身の丈に合った生活をしなくてはいけないと思う。だがそのような「足りるを知る」生活をしたいと思う一方で、現状に満足してはいけないという気持ちもある。

  1. 「足りるを知れ」
  2. 「現状に満足するな」


この2つの気持ちを同時に抱えている人は多いはずだ。しかし、この矛盾し、相反した気持ちにどうやって折り合いをつけているのだろうか。考える価値がありそうだ。
方法としては、ある部分では知るを足り、ある部分では現状に満足しないというやり方がある。
例えば、仕事は「足りるを知る」の精神で身の丈に合った量だけをやるが、給料は現状に満足せず、できるだけ沢山もらいたい、と思うような場合がそうである。
すでに多くの人が実践している気がするような。