うんこのケーキはおいしいね

高校の頃の、文化祭前日の話だ。
荷物がパンパンに入った重い段ボールを動かす仕事を、体格のいいA君と、ひょろひょろしたB君がやることになった。
2人でヨイショと持ち上げたはいいのだが、すぐにB君に限界がきて、こう叫んだ。
「一回置かして!」
しかし、A君は意地悪をしてすぐには置かせてあげなかった。
するとB君は必死になって更に、
「おかして!おかして!おかしてーーー!」
と叫んだ。
なんか変な空気になった。
―――
小学生の頃、ドラキュラなどの西洋オバケが主人公のゲーム(ゲームボーイの)をしていた。
そのゲームはパスワード制で、面をクリアするたびに、「にんにく」だとか「けつえき」だとかの、西洋オバケに関係のある4文字のパスワードが表示され、次回からは、そのパスワードを入力すれば、以前クリアした面からゲームを始められるようになっていた。
ある程度面をこなすとパスワードは推測できるものだと分かり、それからは4文字の単語を試しに入れるようになった。
友人の家でゲームをしている時、あるフレーズが浮かんだ。
「まんげつ」
この四文字をパスワードとして入れようと思ったのだが、「ま」「ん」「け」と入れてから、濁点も1文字と数えられることがわかり、最終的に「まんげ」としか入力する事が出来なかった。
その悔しさのあまり、ぼくは友人に対して勢いよくこう喋ってしまったのである。
「点々も1文字になるんだねぇ、まんげしか入らなかった。最後まで入れようとしたのに、まんげだった。せっかく思いついたのになぁ。まんげかぁ」

言ってしまってから気がついて、なんか気まずかった。友人はなぜかすまなそうな顔をしていた。