中島らも『ガダラの豚』

これは文庫本で1巻から3巻まであるロングな小説である。「1巻から3巻まで」と言わなくても、「2巻から3巻まで」の本など見たことが無いので、普通に「3巻まで」と言えば通じそうなものだが、今回に限っては「1巻から3巻まで」と言わせていただく。ちなみにブックオフ好きな僕だが、この本は3冊とも定価で買った。
まずこの本との出会いを語ろう。ある日僕は駅の書店で「中島らも」のコーナーを発見した。その中に、前から知ってはいたが読んだ事の無い『ガダラの豚』という本があったので、立ち読みもせずにそれを手にとりレジへと向ったのだ。購入後、僕は電車の中でそれを開いた直後に違和感を感じた。表紙をめくると、なぜか「第二部」と書いてあるのだ。違和感どころの話ではない。
これは常識だと思うが、数は1から数えるものだ。その常識に従えば、僕は「第一部」を飛ばして「第二部」を買ってしまったことになる。ストリートファイター2のようにいきなり2から始まる(単に僕が1を知らないだけかもしれないが)例外もあるが、普通は1から始まるものだ。ドラゴンクエストしかり、ファイナルファンタジーしかりである(ゲームばっかりで申し訳ないが)。まれに、「リング→リング2→リング0」と後に0になるものもあるが、これも例外と考えていいだろう。そういえば、バイオハザード0なんていうのもあった(またゲーム)。
話を戻そう。
僕が読んだ中島らもの本といえば、ほとんどがエッセイであり、まさか3巻(第三部)まである本を出しているとは思いもしなかった。『ガダラの豚』は第一部も第二部も第三部もない、ただの『ガダラの豚だと思っていた(飛ばない豚は)。そのような油断が今回のような信じられない事件を引き起こしたのだろう。僕は中島らもをなめていたのかもしれない。ごめん
ごめんと言いつつも、僕は困った。まさか三巻まであるとは思いもしなかった。と、これはさっきも言ったが、本当に困ったのだ。ああ困った。三巻まで出ているということは、最終的には三冊も買わなければならないのである。僕は実のところ、中島らもの小説はあまり好きではない。『今夜、すべてのバーで』はおもしろかったが、それ以外の小説は、ええと、今思い出せないくらいつまらないのだ。「ならなぜ『ガダラの豚』を買ったんだよ」、という質問には「なんとなく」と答えるしかないくらいに。
「あーあ、三巻もあるんなら最初から買うんじゃなかったな」と思ったのだ。ちなみにこれは、「あーあ、三巻もあるなら図書館で借りるんだった」と同義である。
しかも、今買ってしまったのは「第二部」である。せめて「第一部」であれば、とりあえず読むということもできるのだが、なにしろ「第二部」である。電車内で、「なぜ君は「第二部」なのか!」と怒鳴りたい気持ちを抑え、とりあえず冒頭部分(↓四角の中)を読んでみたのだが、やはりというべきか、全くもってちんぷんかんぷんであった。おのれ「第二部」・・・。



 ナイロビの、ジョモ・ケニヤッタ空港に着いたときに、まだ元気が少しでも残っていたのは納だけだった。
 大生部、逸美、道満、清川。全員、もうろうと魂の抜けた顔つきで、空港ロビーを踏みしめた。



君たちは誰だ。いきなり5人も名前を出されても困る。しかも、この後この5人がどういう人物で、一体どういう関係なのか詳しく語られる事が無いのは自明であるし、どうしてナイロビジョモ・ケニヤッタ空港に着いたかも、なぜ納以外の4人が「もうろうと魂の抜けた顔つき」なのかも、もしかしたらわからないままかもしれない。なにしろ今僕が手にしているのは「第二部」なのである。チキショッ!
ああ、なぜ僕が手にしているのは「第二部」であるのか。「第二部」はなぜ「第一部」ではないのか。その問いの答えを僕は知らない。そして失意のまま家に帰り、僕は叫んだ。
「ああ!『ガダラの豚』が2巻から3巻までの本だったなら!!」しかもそうだとしたら、買うのは今もっているのを合わせても二冊だけでよい。約500円の節約である。
しかし、アマゾンで『ガダラの豚』の情報をみてみると、普通に1巻から3巻までの本であった。人はこういう経験を積むことで、「地球は自分のためにまわっているのではない」という事を知るのだろう。「この世は私のためにある」と歌っている人がいたが、まだ何も知らないらしい。しかも、「ウララ ウララ ウラウラで ウララ ウララ ウラウラよ」である。というかこんな古いことをネタにするのは一体どうなんだろうとか思うが、もう右も左もわからないので、とりあえず見逃して欲しい。
だいぶ長くなってきて収まり方がわからなくなってきたので、まだほとんど(というか全く・・・)内容に触れていないが、そろそろまとめに入ろうと思う
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ガダラの豚』は全部で3巻あるが、内容は読みやすいし、どんどん先を読みたくなるようなストーリーであるので、長いと感じることはないだろう。もし長く感じてしまうという人は、ページを2枚ずつめくるといい。
もう何も言うことは無い。あらすじなどはアマゾンに任せることとして、今回のアフィリエイトを終わりたいと思う。スーン。


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