カフェの隣の休憩室で教科書を広げながら高校野球を見て談笑する人たち。ぼくは、通り過ぎた。どうしてこうなのかな。
三界の窓から見下ろした中庭に、猫がいた。ぼくは階段を早足でおりて熱地獄への扉を開け、中庭へ出た。しかして、猫のいそうな日陰を、見渡してみたのだけれど、どこにも猫などはいなかった。何をしに下りてきたのか。僕は見たものは本当に猫だったのだろうか。どうしてこうなのか。
教室に入ると、さきほどかいた少しの汗が一瞬でひいた。やはり、この学校には暑がりが多いのだなと、思わざるをえない。一時間ほど辛抱して、外に出ると、コーヒーをもとめて歩いていた。こうして、最終的には良い気分になれたのだから、ぼくは簡単な人生を送っているといわざるをえない。