センリツ

こわい。何が怖いって、もう28歳である。
今日、白髪を発見した。その時なんだか怖かった。
目の前の仕事に没頭し、人の尻を叩きながら自分を励まし励まししているうちに白髪はどんどん増え続け、しまいに禿げ上がってしまうんじゃないだろうか。
いつもにこにこしていた青年の顔から笑顔は消え、それどころかどんどん目つきは悪くなり、昔は優しかったのよ、などと影でささやかれるようになるのでは。
孤独を酒で紛らわし、次第に体は病に蝕まれ、心も弱っていくのでは。
午前7時半、更衣室の鏡に向かって2秒ほど、そんな妄想をした。