なにもできないとこれしかできないを行ったりきたりして

昔のぼくは何もできなかった。昔ってどれくらい昔というと、学生時代か。それとも子供の頃か。最近といえば最近だが、あの頃は今回のような事が起こっても特になにもできない割に、テレビや新聞の情報にかじり付いてあれやこれや考えを巡らせていた。肯定や否定だったり、同調や怒りだったりした。
いま大人になり何でもできるはずなのに、仕事が忙しすぎてそれどころではない。住んでいる町の一部が計画避難だとかどうやら職場はぎりぎり引っかからないだの、それくらいの情報しか入って来ず、積極的に何かを調べてみたり読んでみたりすることもない。
明日の売り場は何、週末の計画はどうする。売り上げは上がる一方だが人員は同じだからその分がんばる。仕事で筋肉痛になるのは久しぶりだ。それくらい、何かしら動いているってことか。
何かを見聞きして感情を揺さぶられる暇も無い。
今朝、出勤中にラジオからZARDの『負けないで』が流れてきた。ぼくに向けた歌か?いや、ぼくより何倍も辛い思いをしている人たちが、負けずに頑張っているのか?
テレビも新聞もほとんど見ないぼくには、どれだけ辛い思いをしている人がいるか、本当はわからない。
それでも、ぼくも頑張らなくちゃ、と思った。朝の、ふとした瞬間に。