やくそく

夜、寝る前の少しの時間には、何か大切な事を思い出しそうになる。それも、もうずっと昔の事をだ。しかし、今は今で直面している問題があり、例えば仕事上の課題など、些細なことではあるが、外せないことである。そうやって瑣末なことに追われているうちに、昔の約束を忘れていく。誰かとの約束か。自分との約束か。
そうやって、二度と思い出さない約束を沢山抱えながら、また新しい約束を交わしていく。そういう生き方ができる。誰だって。
そのうち、もう誰とも約束はしない、などと思い始める。もう何も決め付けない、と思うのだ。だがこの約束も破られる。
意識は不自由になり、もしかしてぼくって弱いのかな?などと思ったりする。そう、強いと決め付けていたのだ。それがそもそもの間違いだ。