差別

水俣病、触るな」サッカー試合中に発言 熊本の中学生http://www.asahi.com/national/update/0716/SEB201007150059.html?ref=rss

これを読んで思い出したのは作家の花村萬月のことである。『笑う萬月』か何かのエッセイで、子供の頃、喧嘩で負けそうになり、「この朝鮮人が」と罵ったことがある、と書いていた。
差別とは根深いものである。普段は意識しないのに、皆が持っているものだからだ。
きっと熊本の中学生も、普段なら水俣病のことで相手を侮辱したりしないはずだ。だが、自分がいざ劣勢になると、負けを認めたくない一心から、上記のような言葉が出てくる。これはもう個人の精神の問題だ。教育でどうにかなるものではない。少なくともそういう教育は知らない。
またこれは、水俣病だけの偏見を無くせば良い、と言う問題でもない。子供のくせに、女のくせに、これも侮辱だ。


試合に負けて何を失うというのだろう。
水俣病、触るな」と言った中学生は、もっと大きなものを失なったことに、いつか気づくのだろうか。