ハンター

4年前、十日町というところで働いていた。新潟県中越地方にあり大雪が降ることで有名である。中越地震で被害の大きかった山古志村の近くである、といえばわかるだろうか。
その頃のぼくはどうしようもなく宙ぶらりんであった。今はぶらぶらした感じだが、その頃はもっとぶらぶらりんであった。なんのこっちゃ。
休みの日はやることが無いが気力も体力もあまりあまっていたためどこかへ出かけていた。車も無いため電車と徒歩である。具体的には、まるで無計画にどこかの駅に降りて、そこから歩くということをやっていた。とにかく歩いた。商店街があったら歩いてみた。端まで歩いて何も無ければ戻ってみた。ばかである。
ある時、山があったので登ってみた。舗装された道をいくと平地がありキャンプ場になっていた。そこからさらに登ると小さな滝と東屋がある休憩所があった。日が暮れかける頃だ。普通ならここで降りるだろうが、こんなことをする奴が普通なわけがない。当然そこからさらに登った。
真っ暗になった頃、険しかった道が急に開けた。平地になっており、電波塔のようなものがあった。全体の2/3くらいのところに人が立てるようになっていたので、当然そこまで登ってみた。この時は当たり前のような気がしたのである。電波を受信していたのかもしれない(ゆんゆん・・・)。
もう体力の限界である。寝てみたら、満天の星だったのだ。