若きワーカー・・・

ぼくは25才の小僧だ。スーパーの魚屋でチーフをやっている。同僚は平均年齢40代後半のおばちゃんだ。
スーパーというのは、そこら辺の小僧がそこら辺のおばさんを使ってなんとか回っている世界だ(他のスーパーの事は知らないが)。

しかしそこら辺の小僧であるぼくは、上司に様々なことを要求される。売上の高上、利益の確保、季節の演出、販売計画に、人時の計画。全てを数字で把握して、報告書を作成する。
また、そこらへんの小僧であるぼくは、社員であるため、鮮魚以外の仕事も掛け持ちしなければならない。伝票の整理、電話の応対、レジの応援。組合の仕事もあるし、午後は肉屋の仕事までする。休日も発注があるので店に行かなければならない。サービス残業どころの話ではない。

ここまでやってる社員がいるから、きっと素晴らしい店なんだろうかと思うと全然そうではない。POPと商品の値段が違うことはしょっちゅうあるし、苦情も多い方だ。店の規模に比較して客数も少ない。

鮮魚の売上も苦戦している。売り場も商品作りも、以前の担当者より格段に良くなった自信はあるのに(以前は格段に悪かったから、それをまともにしただけだが)、まだ数字は追いついてこない。
でも、まだまだやることは沢山ある。もっとわかりやすい売り場をつくれるし、もっと訴えかけるような売り場をつくれる。今はそれに費やす時間が心底欲しい。
新人を見ていて思うが、魚だけ切ってればいいなんて、それほど楽なことは無い。魚だけ切ってれば良かった頃には、思いもしなかったことだ。
店長は、魚屋のことだけ考えてればいいなら、それほど楽なことは無いのにどうしてそれが十分にできないんだ、と思っていることだろう。