ぼくがワイングラスでコーヒーを飲む理由

理由はそれしかグラスが無いからだ。社販で買ったボジョレーについてきたやつである。ここ1年くらいグラスを持っていなかったが、あるとやっぱり便利だ。
ぼくは引越しする度に色んなものを捨ててきた。グラスもそのひとつだ。必需品のうちには入っていない。テレビは就職すると同時に失った。その時から、レンジもオーブンもずっと持っていないが、これは両方ともあったら良いなと時々思う。
食器は大皿が一枚とどんぶりが1つ。物を食べるのは全て箸である。フォークが無くて困ったことは今のところ無いが、スプーンはいつか手に入れたい。調理器具はフライパンと小さい鍋と包丁が1つずつ。あとパスタをよく食べるので、ざるが1つある。
これだけでも大変な荷物だ。引越しをする度に、人が1人生活するだけでこんなに物がいるのか、と愕然とする。
だが当然これだけではない。調味料は醤油と塩コショウと油。保存用食料としてスパゲティとレトルトのミートソース。食器はお湯で洗うので食器洗剤は無いが、洗濯洗剤は絶対に要る。石鹸とシャンプーと歯ブラシは必需品だ。
衣類では、Tシャツが4枚にYシャツが3枚。靴下が4足にパンツが4枚。背広が1着に礼服が1着。ネクタイはもらったりして7本くらいある(かさばるものではないし、なにより捨てられない)。
革靴、スニーカー、サンダル、長靴が1足ずつ。ああそれに、大物の布団が一式。デスクトップパソコンもあった。あと折りたたみテーブル。そして座椅子はなぜか2つある・・・。


もともと物を溜め込む性格だ。最初の引越しですごく大変な思いをしたから、要らないものを全部捨てたのに、2回目の引越しもすごく大変だった。要ると思っていたものが多すぎたからだ。その反省を踏まえたにもかかわらず、3回目の引越しもやはり大変だった。

ぼくはずっと前から欲しいものが4つある。ベッドと、大きな机。椅子。あとは本棚。実はこの4つは、就職し初めの時、必需品だと思って実家から苦労して持ってきたのだが、次の引越しの時にぜんぶ実家に置いてきたものである(戻すのも大苦労だった)。転勤が続く間は、この4つはいつまでたっても手に入らないだろう。
でも、マイホームを手に入れた暁には、すぐ手に入れてやるつもりだ。大きな机もベッドも思いのままだ。それこそ、フォークやスプーンも。