どこにいく

小山ゆうが描いた『愛がゆく』という漫画の中に、人間の価値がそのまま数字となってその人の額に出てくる、という描写がある。何十点以下の人は時期が来ると死ぬので、価値のある人間だけの世界が実現する、というものだ。幼稚園の時に公民館で読んだきりなので、間違っているかもしれない。でも、それを読んだ時、とても興奮したのを覚えている。そうなったら怖い、とは思わず、そうなって欲しい、と思った。

今となっては、人の価値を数字でつけるなんて、出来ないとは思う。
でも、だからといって、みんなが同じ価値だとも思わない。ぼくにとっては、価値の無い人がいるし、聞く価値の無い話がある。
世の中に価値の無い人なんかいない、とか言う人がいる。それは当たり前だろう。だって、価値はつける人によるからだ(そんな当たり前のことを言う人が、ぼくにとって価値の無い人だったりする)。
隣の会話を聞いていて、よくこの人はこんなつまらない話を長く聞けるなぁ、と思っていたら、今度はその人がつまらない話をし出したりする。そういう時、同じレベルの人が集まるんだな、と感じる。気が合う合わないという以前に、レベルというものが歴然として存在するということを何度も確認してきたからだ。

ぼくにとって人間は、助け合う仲間ではない。別に、助けて欲しいとは思わ無い(普段は)。たぶんそこに、そもそもの違いがあるのだろう。