地獄起き

暑い。喉がからからだ。ベッドの脇のテーブルには、飲み残しの紅茶が入ったコップがあったはず。手を伸ばして、よし、掴んだ。
体を起こして、コップを傾ける。ごくっ、と一気に飲んだ。
苦い。
今、何を飲んだ?紅茶じゃなかった。何だ?コーヒーか?胸が熱い。
そうか、昨日の夜、ぼくは泣きながら電話をして、あれを紅茶に溶かして、そのまま寝てしまったんだった。
吐かなきゃ!吐かなきゃ・・・。
もう、体が言うことを聞かない。
ゴン!
コップが床に落ちた音がした。ぼくは目をつぶって諦めた。
―――
喉がからからだ。首もべとべとする。だから夏の朝は、嫌いなんだ。