楽しいコンビ

君はぼくよりずっと強くて、いつも余裕で、とても頼りになる。
きっと空腹の時もあるだろう。餌を求めて、ぎらぎらした目つきで草原を練り歩いている時だってあるはずだ。でもぼくと居る時は、いつだって君は、満腹のライオン。格好良いよ。
「君を食べたくないからね」
こんなの嘘ばっかり。いくらお腹が空いたって、彼はぼくを食べたりしない。
でも、彼の真顔に、ぼくは少しどきどきする。ぼくを食べて、自分も死ぬつもりなんじゃないだろうかって。
ぼくには強い毒がある。ぼくを食べたら、彼は死ぬ。だから彼は、いつでも世界を終わりにできる。このコンビは、とっても危ないんだ。だからどきどきして、楽しいんだろう。