状態変化で終

風が冷たい。冷たすぎて、頭も凍る。冴えた頭が、凍りつく。
部屋に入る。凍った頭も溶けだす。溶けた頭がこぼれる。こぼれた頭が、部屋という容器に納まる。しだいに、煙みたいに軽くなった頭が、部屋の隅々まで行き渡る。

それが朝は、布団の中で、溶けた鉄みたいになって収まっているのがわかる。

布団から出た後のわずかな間に、形が決まる。
鉄は熱いうちに打て。