サービス残業(まじめな話)

入社してからほとんど毎日サービス残業をしていたのだが、今日から残業がつくことになった。残業は必ず手当てをつけることになったし、退社の打刻をしてからの作業は一切禁止になった。これが当たり前ではあるのだが。
少し前に、新入社員(入社一年目のグループ。ぼくもこれに含まれる)のディスカッションを兼ねた組合の集まりがあり、その時飲み会の席で、サービス残業が多すぎる話を組合の人とした。そのせいかもしれない。

サービス残業は、会社側が積極的にやらせようとしているわけではない。少なくともぼくの働いている会社では、そういうことはない。ではなぜ、サービス残業が発生するのかというと、店舗の、部門の中でこっそり行われているからだ。

サービス残業は推奨されないが、残業をつけすぎると、本部から注意が来る。また、店長からも嫌な顔をされる。「効率の悪いことをやっているんじゃないのか」「だらだら仕事をしているんじゃないのか」と厭味を言われる。それに加え、部門の売上不振が重なると、どうしても残業をつけにくくなる。

しかし本来、やった分に対しては、残業をつけることになっている。それが今、ちゃんとつけることになった。良いことだと思う。

残業をつけないでサービス残業で回していると、部門を回すための人員と時間(「投入人時」という。たぶん)が把握できなくなる。これは、投入人事を決定する店長を混乱させる行為だ。また、部門内でも、サービス残業をすればどうにかなる、という考えが生まれるため、投入人事について考えなくなる。むしろ、残業の手当てをつけないことが、効率の悪い、だらだらした仕事をする原因でもあるのだ。

時間で給与をもらうのではなく、成果で給与をもらうシステムにすればこの問題は解決するが、それはこの仕事では、とても難しいことだ。一つ一つの仕事にポイントをつけたら、皆高いポイントの仕事をやりたがるだろうし、数値に還元できない、直接利益が発生しない仕事も沢山ある。
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残業は、ひと月に最大40時間までつけられる。毎月40時間つけていたら、きっと本部から監査が来るだろう。本当にその人員体制で、残業する必要があるのかどうか、見にくるのだ。それでする必要が無いと判断したら、生産性を見直せばよいし、人が足りないと判断したら、人を増やしたらよい。それが本来のやり方だと思う。

ぼくは、サービス残業が嫌だった。ただ働きが嫌なのが一番だが、本来のやり方ではない、と言う思いも強かった。それが解消されたような気がして、今日は嬉しい。