心をもたぬもの

もう虫(こばえ)が大変なことになっているのである。
水気のある生ゴミ(たいていの生ゴミは水気がある)を放置しただけで、数時間もしないうちにたかられる。言葉は悪いが、まるで、死体をあさるハイエナだ。いや、こちらは迷惑をかけられているのだ。いくらでも言わせてもらおう。あいつらと来たら、まったく、ゴミにたかるハエのような奴らなのだ。
冗談を言っている場合ではない。しかし、真面目にしていても何の対策にもならない(にもかかわらず、とりあえず真面目な顔をしていないと怒られることがままある)。


こばえ。
一体どこからやってくるのか、どういう仕組みでここまで増えるのか、まるでわからない(一応言っておくが、わかろうと思ったことはない)。

先日、こばえに対抗する手段をいくつか書いた。参照してもらいたい。
http://d.hatena.ne.jp/pp12oot/20060618

前とは違い、今ぼくが住んでいる家にはエアコンが無い。この差は大きい。まず、冷却作戦が使えない。その上、あまりに暑いため士気の問題で一網打尽作戦もできない。兵糧攻めも、「もう、これはどうしようもない」という時にしか出来ないのが実状だ。クモと共存作戦においては、既にクモの力ではどうにもならなくなっているので、大きな効果は期待できない(クモだって、おなかがいっぱいになる)。

ここは一つ、徹底無視作戦で行こう。いちいち驚いていては、こばえを喜ばせるだけだ。
相手の心理を利用するのである。山で熊に遭遇した時は死んだフリをすれば良いし、人にいじめられたくなければ、何をされても涼しい顔をしていれば良いと言う。何事も、こちらが動揺しなければ、むこうもつまらなくなり、相手をするのが馬鹿らしくなってくるはずだ。
だがすぐにこちらが馬鹿らしくなってきた。心をもたぬものに心理作戦は通用しない。あいつらは、頭が空っぽなのだ。本能のまま動いているに過ぎない。ならば話は簡単だ。馬鹿でもひっかかるような罠を作ればよいのだ。
そこで考え出されたのが「酢の巣作戦」だ。酢の巣とは、酢を入れたコップのことである。酸っぱいものに集まるこばえは、まんまと酢の巣に落ちる。その光景は勝利の光景だった。だが、とても気持ち悪いので二度とやりたくない。
また作戦を考えなければならなくなった。どうにもならなくなったら、「引越し作戦」か、「冬を待つ作戦」だ。