出口調査のアルバイト

寝すぎて体力を消耗してしまった。体が重い。寝不足だと体力が回復しないし難しいところだ。
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昨日は出口調査のバイトの説明会があった。簡単な仕事だとタカをくくっていたのだが、説明を聞くと案外ややこしかった。その割に説明の時間が短く、終わった時にはまだ不十分のような気がした。これで当日しっかり仕事ができるのだろうか。ぼくはいいとしても、周りの人がまだ理解していない気がする。
しかし誰も質問する気配は無かった。なぜ勇気をもって「もう一度お願いします」と言えないのか。人前で恥かしいなどと思っているのだろうか。当日は人前で調査をするのに、今からそんなことでどうする。
そんなことを思っているうちに説明会は終わった。今ぼくの手元には「調査のてびき」と調査票と、ある報道機関の腕章がある。これを持って当日、指定の投票所まで出向くことになる。
地図を見たが、投票所がよくわからない。ここは一体どこなのだろう。『話を聞かない男、地図が読めない女』という本があるが、これでは「話を聞かない男、地図も読めない男」になってしまう。
当日無事に到着したとしても調査がうまくいかなければ、「仕事が出来ない男」の烙印を押されるだろう。つまりどちらにせよ烙印は押されるということだ。どうせ押されるなら到着しない方が良いかもしれない。
最初に「字が読めない男」とか「日本語を理解できない男」の烙印を押されていたらもっと良かったかもしれない。