貞子効果

テレビでハリウッド版の『リング』を見た。
どうもまだ続きがあるような終わり方をしていた。そのせいで、「借金を全額返済したと思ったら利息分がまだ沢山あった」あるいは、「上下巻の本を読み終わったが後で『中巻』を見つけた」といった気分になった。
その気分を晴らすため(そして脂汗を流すため)に、『リング』鑑賞直後、顔を洗いに風呂場へ行った。部屋の光が届いていないため真っ暗である。ぼくはいつものように電気のスイッチを入れた。その途端、閃光が炸裂した。
同時に「バシッ」という音もした。電球のフィラメントが切れたのだ。
遅れて「うわーーーーーーーーっ」という声も聞こえた。これはぼくが叫んだ。
・・・
ホラー映画の真の怖さは、映画のあとに待っているのではないか。これはちょうど、正座をしている時よりもそのあとの苦しみの方が大きいのと同じである。あのあとは何が来ても、どう転んでも痺れるしかない。「ツン」とつくだけで「ウワーッ」と叫ぶ準備が出来上がっているのである。


それにしても、なぜ換えたばかりの電球が切れたのだろうか。それが不気味と言えば不気味だし、もったいないと言えばもったいない。