就職活動日記「交通費」

支店が新潟にあっても本社が他県にある場合、最終面接などで遠出しなければいけないことがある。そういうときは、ありがたいことに交通費をもらえる場合がほとんどだ。選考の進んでいるある企業さんから先日もらったメールにも、交通費について書かれていた。それが今までと違って少し複雑な書き方をしていたのでちょっと見て欲しい。メール原文をかなりいじってあるが、大筋この通りである。


〇〇市外からお越しの場合、交通費を当社規定内で支給いたします。従って(時間的ご都合もあるかと存じますが)、できるだけ料金的に効率のよい(あまり高額でない)手段を選択していただいた方がいいと思います。
ぼくは、交通費を払ってもらえるんだったら移動速度が一番早い交通手段を使いたかったのだが、これを読んで、はたしてそうしてもいいものだろうかと不安になってきた。
というのも、
「料金的に効率のよい」
と書いてあるが、効率の良い悪いの線引きをどこでひいたらいいのかわからないのだ。
例えば、バスで行ける10キロ先の目的地へ行くのにわざわざタクシー(またはヘリコプター)を使うのは馬鹿げているとは思うが、仮にバス停から徒歩で30分かかるとなると、タクシーも視野に入ってくると思う。それでタクシーを使った場合、効率がいいのか悪いのか。
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「(あまり高額でない)」
これもひっかかる。高額とはどれくらいの額を指すのだろうか。100円とかだったら困る。それに「100円が高額とは一体どういうことか」などと言い争っても、
「私の祖国では大金です」
などといわれたら、言い返せない気がする。
いっそ「当社規定内」の具体的金額を教えてもらったら、その範囲内でたっぷり使わせていただくのだが。いくらなんでも、「〇〇円までは出せます」とはっきり言ってもらえば、それ以上使うことはしないし、もし使ったとしても、その分を負担することに何ら抵抗はないはずである。
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それにしても、
「当社規定内」
というのが曖昧すぎやしないか。これは、
「俺のさじ加減で決めるからとりあえず来て味噌」
と言っているのと同じである。しかし利口な判断ではある。もし払える金額を示したら、ぼくのように限度ギリギリまで使う輩が大量発生する恐れがあるからだ。
だがぼくだって常識というものを知っている。例えば東京へ行くためにハワイを経由することは決してないだろう。もし経由したとしても経由分のお金は頂かないつもりだし、その上、おみやげだって買ってくるかもしれないのだ。
おみやげが欲しいならきちんと当社規定内の内容を示してもらいたいものである。もし5000円まで出してもらえるとしたら、1000円あまらせて500円のお菓子を2つ買うつもりだ。その時は、1つは実家にでも送って、もう1つはぼくが食べようと思う。