むかしから

何かに追われたり、道に迷う夢ばかり見る。今日もそうだった。
はじめは時間に追われていた。すぐに家を出ないと、企業の採用試験に間に合わないというようなシチュエーションだ。なぜか家は実家で、「はやく出かけなさい」と母に急かされている。ぼくは「わかったよ」などといって、ずるずると誤魔化しているのだが、しばらくすると、すでにどうやっても間に合わない時間になっている。
母は試験の正確な時間を知らないので、いつまでも「はやく出かけなさい」と言う。だからぼくは、もう間に合わないのに、「行ってきます」と言い家を出る。
次は得体の知れない怪物に追われることになる。トカゲが犬くらいの大きさに中途半端に巨大化したような奴がぼく等を追う。ぼくはいつのまにか1人ではなく、仲間と一緒に逃げていた。地図を見ながら、あいつ等が追ってこない場所まで逃げる。
やがて、宿屋のバーに到着する。そこで様々なカクテルを振舞われる。甘いカクテルだ。粒子がきめこまかくて、飲みやすい。まるでアルコールを感じない(夢だから当たり前だ)。その時、「粒子がきめ細かいと感じるのは、きめ細かく感じられるほど粒子が粗くなったってことなんだろうな」などと現実的なことを考えていたので、その部分は、リアリティがあった。
隣の仲間は運ばれてきたカクテルを指さして「これもシェイカーで作るんですか?」などと聞いている。これはきっとぼくの疑問を代弁しているに違いない。
しばらくすると尿意が襲ってきたので、席を外した。トイレは遠くまで行かないと無い。仲間に迷惑をかけてはいけないと、ぼくは必死でトイレのある場所まで走る。そこはドンキホーテの2階だった。そこで小便をして(夢でこういうことはよくあるが、現実では漏らさない)、また来た道を戻る事にした。
迷った。いくら走っても、見たことのある道に行けない。最後、やくざの家に迷い込んで、「こんな家嫌だ」と自分の境遇を嘆く7歳くらいの少年をみかけたところで、夢から覚める。
覚めて思ったのは、こんな夢でも現実よりはましだということだ。現実はもっと面倒臭い。なにより、走ると疲れる。