昼と夜は強い

ぼくは朝にとても弱い。こういう話をすると、「朝に強い人なんかいないよ」と(意地悪を)言われることがあるが、そんな人いくらでもいるだろう。例えば、うちの祖父がそうだ。早起きだし、朝ご飯も大量に食べている(ちなみに昼も夜もよく食べる。冬眠でもするつもりだろうか)。そんな人は他にも沢山いるし、ちょっと思い出してみるだけでも10指に満たないほどである(他に誰も知らないんだろうと言われたら、朝担当のニュースキャスターの名前を挙げていけば誰かは該当すると思う)。
朝に弱いというのは、具体的には、布団からなかなか起き上がれない、朝ご飯が食べられない、というものである。
朝に強い人にとって特に信じられないのは、「起き上がれない」という部分だろう。「怠けるのもいいかげんにしろ!」と言われても仕方ないと思う。ぼくも実家にいた頃は、全く同じ事を弟に対して思っていた(叫んでいた)ものだ(もちろん逆の場合もある)。つまり、朝に弱い人からみても、朝に弱い人間(時間がないくせにぐずぐず布団から出てこない奴)は信じられないくらい怠け者に見える。
これに似ているのは、TVの催眠術ショーだろう。催眠術をかけられて、腕が動かなくなった人をみても、周りの人は、「ええ〜嘘だあー」と冷たいリアクションしか返せないが、当人は「本当に動かないんですっ!」と必死だ(そういう台詞を強制されているのかもしれないが)。寝起きも同じで、頭の中では「起きよう!」と思っていても、体が全く動かないんである。
だが、家が火事になったり地震が発生したりなどの事態になれば、いくらなんでも起きると思う。つまり、精神的問題なのだ。
なので、ぼくが朝起き上がれないのは、クララが車椅子から立てないのとまったく同じ状態にあると考えてほしい。いくらなんでも、クララに「怠け者!」と罵る人はいないだろう(ハイジくらいなものである)。同じように、朝弱い人にも優しく接して欲しい。
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朝は時の流れが早い。なので、例えば朝8時に家を出る予定なら、6時に目覚ましをセットするようにしている。
「①起きる②身支度をする③ご飯を食べる」
この3つを行なうのに、2時間はみておきたいからだ。
内約としては、6時に目を覚まし、少しすると7時半になっているので、すぐに起きて、素早く②と③をこなす、というものである。
なぜ、少ししか経っていないはずなのに、いきなり1時間半も経過しているのだろうか。理解に苦しむ(文章としてもおかしい)。少し(と思われる時間)の間に自分がしたことといえば、ちょっと考え事をするだとか、まばたきをするくらいのものである。
一体どうなっているのか、自分を録画しておいて、解明したいとさえ思う。誰か(妖怪など)が時計を進めている映像が撮れるかも知れない。そうでなければ、まるでぼくが眠っているかのような映像が撮れるはずである。万が一そんなものがビデオに映っていた場合は、その時たまたま意識を失っていたか、死んでいただけだろう。