履歴書ノーミスクリア記念日

つくづく、人間の性格というのは卑しいものだと思う。ああ、なんて下品なのかしら、と、最近思わざるを得ない。自分を基準にしているからだろうか(いや、その可能性は低い。しかし話は続ける)。
というのも、就職活動をしていると、おなじ就活生のアラを探してしまうのだ。
説明会で質問している人をみて、こいつは敬語がなってないなぁと思ったり、その人の靴をみて、なんだこいつスニーカーなんか履いてきてらァ(これは本当にどうかと思ったが)、と思ったり。そして、彼にくらべたらぼくはマシだな、とか思っている。
これは下品だし、それに、下ばかりみていることになるので、自分の成長ためによくないだろう。見るなら上をみたいと思う。いや、見ていないわけではないのだが。とても立派な人を見ては、あの人のようになろうと思うこともある。しかし、今のぼくはそれ以上に人の欠点が目についてしまうようだ。

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ぼくが他人のアラを探してしまうように、こっちの失敗も他人に見られているかもしれない。
そういえば、説明会で発言した際に、「私は〜」というところをまちがって「ぼくは〜」と言ってしまったことがある(一人称は「私」に決めている)。
些細な事なので誰も気にしていないかもしれないが、そんな小さな間違いでもとりあげ、優越感を抱くのが人間である。実に卑しい生き物だと思う(まだ基準は自分しかいないのだが)。
とにかく、ぼくとしてもそんなことで優越感を抱くのは嫌だし、逆にそんな小さなことで優越感を持たれるのも嫌だ。「ぼく」と言うのが、一体どれだけのマイナスだろうか?一人称の間違いなどたいした事ではない。
だが、「ぽっくん」となると話は別だ。許されるのは「ぼく」までである。
ぽっくんとしましても・・・」
明かにダメだ。
これにくらべたら、「ぼく」はまだマシだ。
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また下をみる癖がはじまった。いや、見ると言ったって、「ぽっくん」なんて言う人は見たことが無い。見たことが無いものまで見下し始めた。末期だ。
そうやって自分の卑しさを再認識したということで、履歴書ノーミスクリア記念日の幕を下ろす。久し振りに達人の気分。