日記

ずっと休みなのでだいたい家にいる。近くに書店なんかでもあれば外出してみる気にもなるのだが、周りには何も無い。散歩は好きだが、理由がほしいのだ。よって、ほとんど家から出ない。
昨日の夜に唯一家の近くにある商店であるコンビニへ出かけた。いつのまにか外は寒くなっていた。この頃エアコンをつけても余り活発に動かなくなっていたのはこのせいだったのだ。半そででは少し寒い。しかし我慢できないほどではないので、我慢した。雨の後だったから寒かったのかもしれない。また数日後に外に出ればわかるだろう。


休みが長くて家の中にずっといると、だいたい昼夜が逆転する。今はだいたい朝の6時に寝て15時くらいに起きているので、今年はまだ完全には逆転していないと言える。今年はきっと逆転しないまま夏休みを終えるだろうという気がしている。なんとなくシャンとしていたいからだ。
昼夜が逆転すると、日付とか時間の感覚がなくなってくる。そしてなんだか知らないけれど、自由になる。時間にしばられなくなるのだ。
休みなんだから昼夜が逆転しなくても時間に縛られないことには変わりないのだが、昼夜が逆転しなかった夏休みは今のところないのでその検証は不可能である。とにかく、夏休みには自由になるのだ。今年はやっと、その自由のシッポをつかんだところだ。前記したとおり、このまま逆転してしまう気はないので、すぐに離してしまいそうだけれども。
時間に縛られないとか自由とか言われてもよくわからないだろうから、具体的に言うことにする。例えば、昨日と二日前の違いが無くなる。もっと極端に言うと、あるのは「今日」と「今日以前」だけである。
そして、こうして毎日だらだらと食っては寝ているのが本来の自分なのではないかという気になってくる。本来の自分なんてものは無いのだが、そんな気になってくるのだ。身体は怠けたがっているのである。
最初はそんな「自由」に反発する。こんな毎日ではだめだ、勉強しなくちゃ、外へ出よう。色々思う。頭を抱えて悶絶したりする。しかし、いつしかそういうことを思わなくなる。とにかく怠けるのだ。
実家にいた頃は、朝の9時くらいに寝て夜の9時に起きて台所へ行き、夕飯の残りを食べていた。寝すぎているので腹が減っており、すぐに飯が食えるのだ。それから自室へ戻りまた横になる。横になりながらテレビを見たりして深夜ラジオが始まるのを待つ。ラジをが始まるとそれを聴きながら「みんなでゴルフ」とかいうゲームをする。だいたい5時くらいにラジオ番組が終わる。オールナイトニッポンの一部と二部を全部聴くわけだ。僕は木曜のナイナイのラジオが好きだった。他の曜日のもaiko以外は全て聴いていたと思う。aikoはいい子なので怠けている時に対面するにはちょっと辛いものがあったのだろうと思う。
5時を過ぎてもそのままラジオはつけておく。だいたい演歌だとかが流れていた。そのあたりでゲームはやめて、絵を書いたり本を読んだりする。それに飽きると寝ていた間に撮っておいたビデオを見る。これが終わると大体9時で、このへんになると、寝れないことはないなぁという中途半端な眠気状態を獲得できるので、横になる。これで一日が終わる。
なんとつまらない生活だろうかと思われるかもしれないが、実に楽しかった。
他人に会わないのと時間の感覚が無いことで、いままでそれらに抑制されていたものが出てくるのだ。大げさに言わせてもらおう。僕はこの怠け状態の時、直感で物事を捉えることができた。すぐに全体を把握できるのだ。
それか、そう勘違いすることができた。とにかく万能であった。家の中という限られた空間だけだったけれど。というか、そういう限られた空間の中だからこそ万能であれたのかもしれない。超能力の存在も信じたりして、実際にその手の本を読み漁ったりもした。バカになれたのである。
今の僕はというと、色々関わっているものが多すぎて、万能にはなれない。自由のシッポをなかなかつかめない、というか、つかむのが怖いのは、バカになりたくないせいだろう。かかわりの中で生きていきたいと思っているのだ。