酔って寝る時、普通は楽しい。血液にアルコールが十分に浸透して、頭脳も体も動くことを拒否する。その頂点の時に、布団に倒れこむ。目をつぶると、私が生まれてから今までに蓄えた「音」が、今の気分、というより精神状態といったほうがいいものにあわせて再生される。今回は、人の声だった。
人が人を罵る声。具体的には、なんで〜だよっ、おまえは〜、おまえって〜、くそったれ、くそっ、だからお前は〜、などだ。全て、私に向けられた声だ。いや、中にはただ耳にしただけで、私には関係の無い音も含まれていると思うが、全てが私に向けられている罵倒のように感じた。恐ろしかった。悪夢を見る予感がした。いや、今から夢をみるとしたら、確実に、悪夢しかありえない。勝手に再生される音をふりはらおうと、別の音を呼んでみるが、思うようにいかない。私は布団をかぶって、Tonight I'm gonna have・・・と歌い出した。Cause I'm having a good time having a good timeのところからほとんど叫ぶように歌い、後半からめちゃくちゃな歌詞でわめきちらした。疲れて、寝た。悪夢は見なかった。