コツコツコツコツ、歩いている。学校から駅まで約12分の道のり。私はよく、自分の体の動きを意識する。リズムを大切に、姿勢も大切に、時には頭から上へ糸で引っ張られているように意識して、歩いてみる。体が自分の思ったとおりに動くというのは気持ちがいいものだ。
一番大事なのは、歩くリズムだと思う。コツコツと一定のリズムで足から響く衝撃を体に感じて歩くのは本当に楽しい。
このリズムで歩けば、学校の校門から出て駅のホームにつくまでの所要時間は、ほとんど12分である。誤差は1分の範囲で収まるはずだ。校門を出た時に腕時計を確認し、駅につくまでの所要時間を計るということを約三年間やってきた。
私は走るということをしない。校門を出た時点で、次の電車が14分後にくるとしたら、いつものリズムで歩く。私を走って追い越していく人もいるが、私にはきっちり間に合うということがわかっているので、走る必要は無い。だがもし、校門を出た時点で、次の電車が10分後にくるとしても、やはり走らないのだ。これでは時間を計る意味が無いのだが、走る気になれないのだから、しょうがない。やはり、リズムを崩したくないのだと思う。そのくらいなら、次の電車を待った方がいい。