やさしさ紙芝居

泣く子が嫌いだ。ケンカをして、同じだけぶたれても、また、ぼくの方がよりぶたれても、相手が泣けばぼくが叱られるからだ。口喧嘩でも同じだ。泣かせた方が悪くて、ぼくがどれだけ酷いことを言われたかは関係が無い。
フェアじゃない、と思う。だから、逆にぼくが喧嘩相手より先に泣くようなことがあっても、できるだけそれを気付かれないようにするし、気付かれた時は、「気にしないで!」と言う。
すごく変だが、戦闘放棄したと思われたくないし、「私はかわいそうです」と宣伝したと思われたくないからだ。つまり、負けたくない。
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かわいそうって何だ?いつ使える言葉なんだ?ということを考えている今。


11人で飯を食いに行って、ぼくに最初に料理が届いた。ぼくはそれを食べ始めたが、他の人は料理が届いても食べ始めない。理由を聞くと、「まだ来てない人がかわいそうだから」と言う。
さあ、もし他の人に先に料理が届いていて、その人がそれを食べ始めたら、ぼくはかわいそうなのだろうか?(いいえ違います)
また、本当にかわいそうだと思うのなら、ぼくを制止するべきだったのでは?なぜ、「まだ来ていない人がいるでしょ!」と怒らないのか。
かわいそうとか抜かすな。空気読みすぎなだけだろう。空気の奴隷、いわゆる(いわゆらないが)KDなだけだろう。
人のせいにすな。
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人のせいにすな、につきる。
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父親がいないことで、かわいそうと言われたことがある。しかし、ぼくはぼくのことをかわいそうだとは思わない。人を勝手にかわいそうにすな。