わからないと言いたくないのか

一ヶ月くらい前にパートで入ってきたH君は考え事をする時、手がアゴに行く。発注の時や、お客さんに何か聞かれたときに必ずそうするのだ。また、この間、店の入口に特設で出ていた団子屋さんの前で、そのポーズを取っていたのを複数人に目撃されている。
彼は飲料を担当している。先日レジの人が彼の元へ、バーコードが認識できない飲料を持ってきた。
焦っている様子から、お客さんを待たせている、ということが判断できた。
「H君、これいくらか分かる!?」
そう聞かれて、彼は手をアゴにやると、言った。
「うーん・・・。ひゃくごじゅうすう円ですね・・・」