誉められてしゅくだい

誉められた時にうまく返せなくて、後で反省することがある。
まあ反省と言うほどではないが、宿題にしておこう、とよく思う。
この間、人の家で飲み会をやったのだが、台所で若い女の子と二人きりになった時に、「〇〇さんてお酒強いんですね」と言われた。その時ぼくは、「うーん、まあ、そだね」と答えたが、これは良かったのだろうか。
まず、誉められているのかそうでないのか、という問題がある。
「頭の回転が速いですね」とでも言われれば、「ありがとう」とでも答えるが、お酒に強い、と言われて「ありがとう」は微妙だ。また、ぼくが酒に強いのは単に遺伝なので、言われてもあまり嬉しくないというのが正直なところである。
「格好良いよね」、というのも同じ理由で困る。だからぼくは人に、「かわいい」とか、「綺麗だ」とは言わないようにしている。つい感想が口から漏れる、ということはあるが。

誉められた瞬間というのは、自分がそのように期待されているというプレッシャと、それに応えてみたい、という欲求が同時に発生する。どちらも面倒臭いことだ。だから居心地が悪くなる。
それに、人からどう見られているかを自覚して、そのように振る舞おうとするのは格好悪い。でも誉められた時、そういう道化師な心が、一瞬は首をもたげる。いやらしい自分が見えてしまうのだ。
誉められると、今の自分の顔ってどんなだろう?といつも思う。にやにやしてないか?なんかひきつってないか?
いつも笑顔で「ありがとう」でありたいものだ。それには、良い誉め方をしてくれないと困るな。