ぼくは精神的に追い詰められるとものの好き嫌いがハッキリする。そんな精神状態のときは、何かを認識した瞬間に「これはOK」「これは気に食わない」と、ほとんど自動的に仕分けがされていく。
昔はこれを、感覚が研ぎ澄まされているのだ、と思っていて、なかなか好ましい精神状態だと思っていたのだが、今はそれにちょっと疑問を抱いている。
そんなにいいものなのだろうか、と。
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もちろん、これは「なんにとっていいのか」という問題である。
好き嫌いが激しい精神状態を良しとしていたのは、昔のぼくにはよかったからだろう。そして今疑問を持ち出したのは、そういう精神状態が、今のぼくには都合がよくないからなのだ。目指すところが変わったのだと思う。
そして今悩むべきで考えるべきなのは、そこである。
今までぼくは何を目指していたのか？そして、今のぼくはどこを目指しているのか。
「ぼくはこれからどこへ行ったらいいのだろう？」ということを考えたいのではない。これは、「これからどこかへ行こうとしている自分を認識しよう」という試みなのである。こう言うと、ちょっと二重人格っぽいけれども。
