就職活動日記「交通費は頂いたの巻」

面接を受けに長野まで行ってきた。高速バスで片道3時間、往復6時間の旅である。それに比べ面接は20分と短い。だが、面接会場を出てほっと一息ついたとき、まるで40分くらい経ったように感じていた。緊張すると時間が長く感じるなぁと思って時計を見ると、たんに20分延長されていただけだった。どうりで長いはずだ。
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長野は今回はじめて来たが、やはり新潟とは違った。一番違うのは、長野駅前に降りてまず目につく長野駅だ。これは新潟に無い。あとは道路を走る車の長野ナンバーの多さに「オッ、さすが長野」と思った。
もう一つ特筆するべきは駅前のハトの多さと、その人なつっこさだろう。ここのハトは脅かさないかぎり、かなり近づいても逃げない。はじめは嬉しいなぁと思っていたが、すぐに関係が逆転し、こっちが距離をとるようになった。ちょっと近づいてきすぎだ。こうなってくると、あまりありがたくないものである。ハトも少し引くことを憶えないとぼくらに別れを告げられてしまうだろう。
あとは特に変わるところはなかった。だいたい新潟とおなじである。
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せっかくなので善光寺へは行ってきた。
善光寺は一生に一度は参った方がいいと言われている有名なお寺だ。それなのに、善光寺にいたのは、人生の大部分を終えたような人ばかりだった。たしかに間に合ってはいるのだが、もう少しで危ない所である。宿題の期限と違って人生の期限はいつになるかわからないから、ぼくのように若いうちに済ませておくのが一番安心だろう。
善光寺本堂の床下には真っ暗な通路があり、通路の終わりに触れると極楽浄土へいけるという錠前がある。まさか触れた瞬間穴に落ちて昇天させられるのでは、という恐れもあったが、せっかくここまできてこれをしないのも嘘なのでやってみた。死ぬことは無かったが、ぼくの信仰が低いためか、あまりありがたみはなかった。前のオバチャンが関西弁で、
「ああ〜なんも見えへんわぁ。鍵どこにあんねんなあ。ああ、あったあった!お父さんここや。ガチャンガチャン!(錠前を壁に叩きつける音)ああ気が済んだ」
と言っていたのもちょっとムードぶち壊しだった。
ちなみにこれを体験するには500円かかる。あのオバチャンは500円分叩きつけていたと思う。
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善光寺に割と近い信州大学教育学部へも行ってみた。建物は古くて敷地もあまり広くないが、どこかのんびりとしていて良かった。購買でサンドイッチとお菓子を買った時、店員に「サラリーマンに見えるね」と冗談めかして言われたのに、「就職活動中です」と気の利かない返しをしてしまったことが今もひっかかっている。もっと良い返し方があるはずだ。宿題にしておこう。
近くに市立図書館があったので寄った。工学、医学、哲学などの専門書がそろえてあるのでうらやましかった。将来住むならこういう図書館の近くにしようと思う。
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写真をとってきた。

仁王門。ここをくぐると、両脇に土産屋・飲食店がずらーっと並ぶ通りがある。その先に善光寺
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仁王門の左の仁王。網がかかっていたので少し見にくい。
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善光寺。大きかった。
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面接が終わってから帰りのバスの時間まで4時間も空いていたため、くたくたになるまで歩き回った。もう当分長野はいいな、と思っていたら今日3次面接の案内がきた(今回は2次)。また近いうちにいく。