メモネタ続き

昨日「まだまだある」、なんて書いてしまったが、実はあと1つしかない。だからと言って、さてはそれがオチだな、などと思わない欲しい。思うのは勝手だが、ぬかよろこびになるよ、とだけ言っておく。我ながら親切だと思う。新雪はまだですが(シャレ、シャレ!)。
ネタメモラスト

  • 「鈴木組で水が飲める。噂ではジュースまで」on少年時代

僕が小学校低学年の時の話である。ある遊び場の近くに「鈴木組」という建設会社があった。その会社の玄関にはウォータークーラーが設置してあり、いつでも冷たい水を飲む事ができた。そしてある日、僕の仲間の一人(水谷君)が、「あそこはジュースも飲める」と言い出した。僕はてっきり、ウォータークーラーからジュースが出てくるのだと思っていたので、それを聞いてからというもの、そこでノドを潤す時は毎回、「今回もジュースじゃないのかぁ・・・」と肩を落としていた。本来なら冷たい水を飲めるだけでも大変嬉しい事のはずなのに、ジュースと言う選択肢が加わったので、普通の水がずいぶんランクの低いものに思えてしまったのだ。
今考えてみると、水谷君が飲んだジュースとは、会社の人から貰ったものではないか、と思わざるを得ない。きっと気まぐれ大人が「坊や、ジュースあるよ」とでも言ったか、水谷君が会社の奥へと進み、ジュースをくれ、と言ったかのどちらかだろう。
それかまったくの嘘とか。
そういえば水谷君は、「大学はこの世に存在しない」とか、「兆という単位は無い」とかいう嘘をついていた。僕の周りでは、中学校に上がるまでこの嘘は常識として通っていたと思う。誰かが「俺の兄ちゃん大学生」などと言うと、僕らは「大学だって。プププ・・・」と陰口をたたいていた。ダメージゼロというか、むしろマイナスの陰口。
そういえば水谷君は、「俺は幼稚園の頃から空手をやっている」とも言っていた。そしてこの間、こんな噂を聞いた。水谷君は高校入学と同時に、不良グループ全員を一人で倒した、というものだ。これを聞いた時に、彼が空手をやっているのは本当だったんだぁと感心したものだが、まさか両方嘘で、小学校の「幼稚園から空手」の嘘は、今回の嘘の前振りではないか、という考えもよぎった。だとしたらすごい長い前振りだが。
ところで、嘘をつくには、それが嘘だと自覚していなければならない。もしかしたら、水谷君にとって、大学は無く、兆という単位も無かったのかもしれない。そう、空手をやっていたのも、不良グループを一人で倒したのも、彼にとって真実だとしたら、彼は嘘をついていないことになる。そうだとしたら、彼を「嘘つき」と言うことは誰にも出来ない。次からは尊敬の意味を込めて「ただのバカ」と言う必要がある。肝に命じるように。