日記

たいへんな事が起こった。便意が来てあわててトイレに行くと、便器の中にうんこがついていたのだ。
便器の内側は、水が流れ落ちる穴を中心にして、楕円のドーナツみたいな形をしているのだが、そんな事説明されなくてもみんなそうだとは思うが、そのうんこは正面からみて穴の向こう側についていた。便器に座っておしっこをする時におしっこが当たる所とは真逆の方だ。そのうんこは、とかげの尻尾みたいな形をした黒くて硬そうなうんこだった。
すぐに水を流したのだが、全然落ちる気配が無い。しかたないので水で流すのは諦めて、トイレットペーパーを右手に巻きつけたものでこそぎ落とした。
その作業中に気付いた。これは僕のうんこだ。
僕は数時間前に、数日振りのうんこを出したのだった。そして長い排便の最中、硬いうんこ君もいて、それは「フバッ」っという音とともに後方へ飛んでいた。排便後はケツを拭いて、便座に座ったまま水を流して、それから後ろも振り返らすにトイレを出たので、流れていないうんこ君のある便器の様子に気がつかなかったのだ。
そのうんこ君があまりに粘度が高くて形がしっかりしていたのと、割と水の勢いが弱いところに付着したのもあって、流れ落ちなかったのだ。

最初はびっくりした。誰かが僕の家のトイレを勝手に使ったと思ったからだ。もしかしたら家の中にまだそいつはいるかもしれない・・・。もしいなかったら、密室うんこ残し事件である。あと妖怪のセンも考えた。いやしかし、そのどちらかかもしれないのだが、僕は自分のうんこだという事で納得した。それが一番安心するし、なんとなく直感的に納得できるからだ。
ちなみに便意は、うんこをこそぎ落とす作業中に出た「プハン」というおならと共に消え去りました。