さいきんまで夏だった

夏はとにかく斉藤君と遊んでいた。屋台村で呑んでいた。だが、いきつけの店主が店をたたむことになり、それ以来行っていない。
ものすごく馬が合う人で、何度か通ううちにそこに行くのが楽しくてしょうがなくなった。行きだすと止まらなくなり、ある時2日連続で行ったら次の日も行きたくなり、そうするとまた次の日も行きたくなった。仕事の都合でどうしてもいけない時などはため息をついたりして・・・まるで付き合いだした恋人のようである。
馬が合う、とは不思議なものである。実際、不思議な顔をしていた常連さんもいた(通って間もないぼくが親しくしていたから)。
ぼくは逆に、ゆっくり仲良くなる、ということがわからない。それはきっと、とてもジェントルなことではあるんだろうけど。