扉の向こうへ

ぼくにとって猫は特別だ。よく、「犬と猫どっちが好き?」なんて聞く人があるが、比べるまでも無い。「カロリーメイトと焼肉どっちが好き?」みたいなもので、同じ天秤にかけるなよ、と思う。
もう一度、猫を飼おうかな。猫がいたら、家に帰るのがきっと楽しくなる。どこにも寄り道せずに、一直線に帰るだろう。
というか結婚でもした方が良いのだろうか。そろそろ平和な気持ちになりたい。もう疲れた。
これから普通に恋愛とか、できるのだろうか。普通に好きになって、付き合って、結婚して、そんなこと、許してもらえるのだろうか。
ぼくはぼくがかわいそうだ。これから幸せになるだなんて、きっと昔の自分が許してくれない。そう思う。
それは、苦しかったことに意味があって欲しい、無かったことにしたくない、なんていう気持ちだ。
でも、それに拘っているうちは、いつまで経っても向こう側へはいけない。