生活

ようやく自分の時間。もう11時だ。毎日シューティングゲームみたいな忙しさで、気付くと時間が過ぎている。
最近ずっと、仕事に行くのが楽しい。お金を払ってまで行きたいとは思わないが、しかし一般的に、仕事が楽しい、と言うのはこの程度のことを指すのかもしれない。
そもそも、お金と交換してまでしたいことが、あまりない気がする。それをするのにたまたまお金が必要だから払う、と言う感じ。まあ、それだけ娯楽の選択肢が少ないのだろう。それか金銭感覚が希薄か。どっちにしてもあまり良いことではないのは確か。

新しい店になってから、ずっと仲良くなりたいと思っていた人と今、仲が良い。すれ違う度に言葉を交わすし、どちらかの仕事が終ると、必ずもう一方の仕事場へ行って様子をうかがう。ぼくの希望というか、都合よく捉えると、お互いが常に探しあっているような感じだ。 今日はその人がいたので、1日楽しく仕事ができた。学生時代のときもそうだった。テンションが上がって、何事もはかどる。

その人が車に乗って帰る時、ぼくは事務所の入り口で、しゃがみながらタバコを吸っていた。目が合ったので手を上げたら、その格好が可笑しかったのか、ハンドルを放して大きく笑っていた。自然に手が上がったが、どういう合図なのだろう。ずっと、わからないままに使っている。
帰り際、もう帰るんですか?と聞いた時、ご飯作らなくちゃ、と言われて、二人の男の子のことを思い出した。ぼくはその子らに、おっさんと呼ばれている。飲み会にいつもついてくるので、すっかり馴染みだ。
「おっさん!ムシキングカードバトルやろう!」と言われると、いつも、よおし、と思う。