週刊実話

ちょっと前の話になるが、山君がホワイトバンドをつけていた。話を聞いたところ、部員(筋肉を鍛える部活の)全員がつけているのだという。
たぶん何もわからずに赤い羽根募金の羽のつもりでつけているのだと思って、ぼくは(ぼくが理解している)ホワイトバンドをつけていることの意味を教えてあげた。
―――
「それって、ほっとけない 世界のまずしさっていうHPが発行してるやつで、それをつけてると『私は世界のまずしさをほうっておけません』って表明してることになるんだよ」
「え?そうなの!?」
「そうだよ。そう思うと、募金箱を首からぶら下げてる人の前とか通り過ぎるとき気まずくない?」
「そうだねぇ・・・嘘つきってことになるね」
「でも募金箱があるたびに募金するのもおかしな話だよねー。年一回まとめて募金してる人もいるだろうし」
「あ、そうか。頭いいねー」
「『募金してください』って言われるたびに募金するのはいい顔したいだけだね。つまりあれは『いい顔したい』って気持ちにつけ込んでるんだ。街頭の募金って絶対そう。すごい舐められてる気分になる。絶対あの場で募金しようなんて思えない(暴走)」
「考えすぎじゃない?」
「うん・・・(冷却)。ぼくが街頭で募金する時に『いい顔したい』って動機を持つからこそそう考えるんであって、山君はたぶん違うと思う」
「そっかー(何もわかってない)」
「とにかく『ほっとけない世界のまずしさ』で検索してHP読んでおいた方がいいよ」
「わかった」
「読まないでしょ?」
「え?読むよー」
「読まないだろ。じゃあ次会った時にホワイトバンドのお話しようか」
「うんいいよ」
「ていうかねー、募金箱首からぶら下げて街角に立ってる奴ってさー!(再燃)(以下略」